一番内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」の4つの層に分かれています。
基底層(きていそう)
基底層は表皮の一番下にあり、新しい表皮細胞を生み出します。
血液から栄養分と酸素をもらい、新しい細胞を作り出します。
ちなみに、ここでシミも作られます。
この基底層は、ケラチンやメラニン色素が生成されるケラチノサイトとメラノサイトという細胞から構成されています。
ケラチノサイトから分裂した細胞が、有棘層へ上がっていきます。
有棘層(ゆうきょくそう)
表皮4層の中で一番厚い層で、有棘細胞が10層くらい重なって出来ています。
有棘細胞の表面は多くの細かい棘状に覆われ、細胞同士が固く結合しています。
またこの層の中にあるランゲルハンス細胞は免疫機能に関わっています。
基底層で作られたメラニンを含み、紫外線の透過を阻止。皮膚に栄養を与え老廃物の交換などを行うため、細胞間にはリンパ液が流れています。
有棘層の上層まで来た有棘細胞は、細胞内でケラトヒアリン顆粒と呼ばれる顆粒を作り始め、顆粒層に移動します。
顆粒層(かりゅうそう)
有棘層から移動してきた細胞は水分を失い、少しつぶれた扁平な形をした顆粒細胞になります。
顆粒細胞からなる数層の層で、角質層とともに、肌に対するバリア機能があります。
細胞質中にケラトヒラリン顆粒というガラス状の粒が多く存在し、紫外線を強く屈折させ、 肌の奥へ浸透するのを防ぎます。
また、この顆粒層でNMF(自然保湿因子)や細胞間脂質(セラミドなど)が生成れ、角質層に放出されます。
角質層(かくしつそう)
肌の一番表面にある表面細胞の死んだもの(角質細胞)から出来ているのが角質層です。
その層は約14層が重なり合って出来ています。
さらに、ケラチンというタンパク質・セラミドが角質細胞の間に埋まっています。
この角質層に達した細胞は核の無い状態になっています。
これ以上分化しない生命力の無い細胞になってしまい、このような状態になることを“角化”といいます。
この角化が正常に機能することで、表皮の厚さを一定に保つことが出来ています。
角質層は約30%の水分を含んでおり、その厚みはわずか0.02ミリほど。
この薄い角質層が皮膚を外部から守ってくれるのです。
角質層が正常に機能しないと、すぐに乾燥肌となります。
また、角質層の表面は、皮脂腺や汗腺などから分泌された皮脂に覆われていますが、これを皮脂膜と言い、通常は酸性です。
この酸性の皮脂膜がバクテリアなどの菌の増殖を抑え、感染から防いでくれます。